27 Sep 2018

猫を飼っていて、ふと疑問に思ったことはありませんか?
「水道水を飲ませていて、大丈夫なの?」と。
人間は飲んでいてもまったく問題のない水道水ですが、はたして猫には害はないのでしょうか。また、ミネラルウォーターと水道水、どちらを与えるべきなのでしょうか?
そもそも猫は水をあまり飲まない?
実は、猫はその体の構造上、あまり水を飲みません。今の猫の先祖は砂漠に住んでいたリビアヤマネコだと言われています。砂漠という水分に乏しい環境で生きていたリビアヤマネコは、少ない水分でも生きていけるように進化したのです。猫のおしっこの量が少なく色が濃いのは、そのためです。
とはいえ、やはり水分がなければ脱水症状を起こしてしまいますから、ある程度飲水を確保しておくことは大切です。
では、どのような水を与えるのがよいのでしょうか?
猫に与える水は水道水でOK
単刀直入にいうと、猫に与える水は水道水で問題ありません。
その理由は2つ。ひとつは、日本の水道水は飲料用としてきちんと整備されていること。もうひとつは日本の水道水が軟水であることです。
海外では水道から出てくる水が飲めないこともザラにあります。ですが、日本の水道はきちんと整備されており、蛇口をひねって出てきた水が飲めない場所はないと言われているのです。
また、日本の水道水はカルシウムやマグネシウムの含有量が少ない軟水となっています。猫にとって多すぎるカルシウムやマグネシウムは、尿路結石などの病気の原因になる可能性があるため危険と言われています。そのため、適度な軟水である日本の水道水は猫に与える水に向いているというわけです。
ミネラルウォーターは与えてもよいのか
人間は健康増進などの目的でミネラルウォーターを飲みますが、はたしてこれは猫に与えてもいいものなのでしょうか。
基本的には水道水がオススメですが、どうしてもミネラルウォーターを与えたい場合は以下のことに注意しましょう。
- 硬度を確認する
- 添加物などが入っていないか成分表を見る
- できればペット用のミネラルウォーターを使用する
まず硬度についてですが、これは水の中にどのくらいカルシウムやマグネシウムが入っているのかを基準としたものです。多すぎるミネラルは猫の体に毒になることもあるため、必ず確認しましょう。成分表を見ると水の硬度が記載されている部分があります。ここに軟水と書かれている、もしくは硬度が80mg/L以下であることを確認してください。
また、最近は味がついていたり、ミネラル分をあとから添加していたりする場合もあります。きちんとした「水」であることを確認しましょう。
ただし、これはあくまでも「どうしてもミネラルウォーターを与えたい場合」のお話です。水道水を飲ませてもなんら問題はありませんので、そちらを選んだほうが経済的にも良いといえるでしょう。
ちなみにペットショップなどの専門店に行くとペット用のミネラルウォーターが販売されています。これはきちんとペット用として成分が調整されていますので、安心して与えてください。
浄水器を使用するのはOK?
水道水を与えるときに気をつけたいのが浄水器です。賃貸物件に最初から浄水器がついていたりすることもありますよね。人間にとっては良い水になるその浄水器が猫にとってはNGという場合もあります。
それがミネラル分を添加するタイプの浄水器です。
水をろ過する際、水にミネラル分が溶解することで、人間にとっては口当たりのいい水になりますが、これが猫にはよくありません。なぜなら、水にミネラル分が溶解することで硬度が上がり、猫の体のミネラルバランスを崩してしまうためです。
浄水器を使用する場合はミネラルやカルキといったものを除去するタイプを使用するようにしましょう。
猫が水を飲まない…そんなときは?
猫に与えるのは水道水でいい…とはいえ、うちの猫は水を飲まない、ということに悩む飼い主さんも多いはずです。そこで猫が水を飲まないときにできる工夫をご紹介しましょう。
カルキを抜く
猫は人間よりもニオイに敏感です。中には、水道水のカルキのニオイが嫌いで寄り付かない猫もいます。そんなときは一度沸騰させるなどしてカルキを抜いてから与えてみましょう。沸騰させることで塩素が抜けて、猫が飲みやすい水にすることができます。
水飲み場をご飯の場所から遠くする
実は、猫は水飲み場がご飯の近くにあるのを嫌がる傾向があるのです。その理由はもともと猫が狩りをする生き物だから。仕留めた獲物から流れた血で水が汚れてしまうことがあるために、ご飯から遠い場所で水を飲みたがるというわけです。なので、ご飯の近くに水を置いている場合は場所を変えてみましょう。
ペット用の自動給水器を利用する
水道水を入れておくことで水を循環させていつでも新鮮な水を飲めるようにできる機器がペット用の自動給水器です。
電源を取る必要はありますが、専用のフィルタをセットしておくことでホコリや食べかす、毛などが水に入るのを防いでくれるうえに、水を常に循環させているので、新鮮な水を飲ませることができるようになっています。フィルタにはいくつか種類があり、中には水道水の中のミネラルやカルキも除去してくれるタイプもあり便利です。
また、猫は流れる水に興味を持ちやすく、今まで水を飲んでくれなかった子が飲んでくれるようになることもよくあります。ぜひ試してみましょう。
結論として、猫に飲ませる水は水道水がいいでしょう。蛇口をひねれば出てきますし、きちんと整備されているお水ですから安心です。
ですが、猫にも好き嫌いがあります。どうしても水道水を飲んでくれない場合にはある程度の工夫をすることも必要になる、ということを覚えておきましょう。
ぷぴ子
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